文化
現代・過去の美しいイラクを映す写真展``アイズ・オン・イラク``開催
Sunday, June 29, 2014
パンオリエントニュース
東京 - 現代イラクの様々な姿を映した写真展、第1回 "アイズ・オン・イラク -イラク探検の機 -"が、27日、都内の文化センターで開幕した。主催は駐日イラク共和国大使館。
今回の写真展は、イラクの豊かな文化、伝統、歴史を日本人に紹介することを意図して開催された。展示されている写真はプロ・アマチュアを含む総勢55人のイラク人によって撮影されたもので、各々異なる地域の出身であることから、イラクの東西南北の様々な特色を映している。写真は駐日大使自ら選別した。
オープニングには皇室の高円宮妃久子さま、自民党の小池百合子衆議院議員、アラブ各国の駐日大使や外交官が訪れた。
ハーシミー大使はオープニングスピーチにてイラクの本来の姿を日本の人々に伝えるためにこの写真展を企画したと話した。展示されている写真はイラク人の日常の一部を切りとったもの、町並みやユーフラテス川のほとりの自然などを映し出しており、また、貴重な歴史的造形物のものもある。写真展を訪れた人は、海外メディアにはほとんど報道されないイラクの姿に驚きを隠せないようだった。
「日本にいるとステレオタイプなイメージをイラクに持ってしまうけれど、(この写真展を訪れて)イラクには大変長い歴史、文化があり、カラフル、そしてバラエティにとんだ写真からそこで生きている人々のキャラクター、文化的バックグラウンド、すごくきれいな自然をこんなに一度目にする機会は普段ないので、イラクのことがよくわかって印象深かった」と話したのは展示会を訪れた音楽系出版業務に携わる高木雅也さん。
メイン作品の一つとして展示されているあるイラク女性が微笑んでいる写真『希望の道は終わらない』が、多くの訪問者の注目を集めていた。
駐日イラク大使のアラー・アル=ハーシミー氏は、パンオリエントニュースの取材に対し、イラクが危機的状況にある今だからこそ、この写真展を通してイラクの本来の姿を日本の友人達に見せたいと話した。「私はこれらの写真からイラクがいかに多様な文化を持ち、様々な人々が共生してきた国であるかを見せたかった。イラクは滅びることはないし、多様な文化、人々が共生する国であり続ける」と述べた後に、「私達は今日本にいて、祖国で戦う事は出来ない。しかしこれが(こうしたイラクの本当の姿を伝え、多文化性を強調すること)が私達なりの戦い方だ」と訴えた。
小池議員は、「展示されている写真は現代のイラクと古代文明の栄えたイラク、そして人々の顔はイラクの国としての文化的豊かさや美しさを映し出している。残念ながらイラクはいま混乱の最中だけれども、早く社会的安定が戻ることを強く祈っている」とコメントした。
駐日アルジェリア大使シド・アリ・ケトランジ氏は、「今回の写真展に来られて本当に嬉しい。なぜなら、これらの写真はイラクの国としての豊かさ、多様性、様々な文明が反映した過去を持つ側面を映している」と述べ、さらなる発展がイラクに訪れるようにと感想を述べた。
イラク地域は古代ではメソポタミアと呼ばれ、土壌が豊かなことから多くの古代文明が栄えた。写真展のパンフレットに記載されていた記述によると、イラクは7世紀以降に急速にイスラム化し、大イスラーム王朝の一部となった。様々な文明が栄えたイラクでは、それぞれの時代を伝える貴重な歴史的建造物が現存している。
(東京 - 柴田真也子)
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