政治

イラク戦争を検証、平和を目指す国際集会

Sunday, November 20, 2011

東京‐(パンオリエントニュース)

19日、都内で「イラク民主主義革命に連帯しイラク戦争検証委員会設置をめざす国際集会」が開催された。当集会はサミール・アディルIFC(イラク自由会議)議長を主賓に招き、「戦争NO!原発NO!命を守る社会を作ろう」をテーマに国際集会実行委員会が主催した。

当集会では基調講演にてイラクの現状が述べられた後、サミール・アディル氏をはじめとした講演や、国際集会に関する各活動の報告が行われた。また、デジタルディバイドの観点から平和で民主的なイラクの再建や人間らしい社会をめざすIFCの取り組みを報道するサナ衛星テレビの安定的運営を支えるためのカンパも呼び掛けられた。

サミール氏は講演の中で、イラクでは「宗派主義、民族主義が蔓延している」と指摘し、宗派や民族の権力バランスに基づく非民主的な政治が行われていることを非難。

また、同氏はイラク市民の現状としてインフラの設備の不備、医薬品の不足、高い失業者率、多くの未亡人の発生などの問題解決を求める声が黙殺され、さらに立ち上がった民衆のデモは治安部隊の残虐な行為を受ける始末だと指摘した。

日本をはじめとした各国による巨額ののODA(政府開発援助)を受けているにも関わらず、インフラをはじめとした諸問題は一向に改善されないという。

テロ行為も後を絶たず、暴力を受けたものが暴力で仕返す「暴力の連鎖」が止まらないという。

この現状を受けアムネスティーインターナショナルなどのNGOはイラクを世界で人権が守られていない国のワーストスリーに挙げている。

イラクの国際社会との関係について、同氏は「腐敗したマーリキー政権は国際的孤立を生まないためにグローバル資本と結託している」と述べた。また、その例を挙げるかのように、日本企業が現地でイラク戦争時にアメリカを支持したことに感謝する謝礼をもらい、政治の腐敗に加担している事実を明らかにした。

最後に「(国際集会や活動に関し)問題を解決してゆく上で、大きな展望をもつことが必要である。そして、世界各地で民主化を引っ張ってきたリーダーたちが連携をしなくてはいけない」と述べ、イラクの現状を解決するために、また世界各地で起こっている人道的問題の解決するために世界的な協力体制の構築を呼びかけた。

同氏は講演の中で、現在の世界の現状を「世界を再分割しようという国家分極化の熾烈な競争が起こっています」と述べていた。世界中の国々がが自らの富の確保のために奔走した世界大戦前の状況に酷似している、というのである。

今年世界各地を襲った民主化の嵐のなかで、リビアなど非人道的行為によって政権が飛ばされた所もあれば、イラクのように非人道的行為が見過ごされる無風地帯もある。これらの実情は変わらずとも、やはり「資本と結託した」国際社会が風向きを変えている現状がある。

この国際社会に与する日本。国際社会との関わり方を十分に検証してゆくべきではないか。

増山 舜

パンオリエントニュース



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