軍事

前宜野湾市長・伊波洋一 都内で演説「在日米軍基地の在り方は``冷戦時代”のまま」

Saturday, October 23, 2010

11月28日の沖縄知事選への出馬に向けて、金曜日夜、前宜野湾市長・伊波洋一氏が、東京都文京区の区民センターで「普天間基地の閉鎖・撤去を求める」講演を開催。1960年の日米安全保障条約の冷戦時代から変化することなく維持され続けてる在日米軍基地の在り方への疑問や、米軍基地に頼らない沖縄の振興策などについて演説し、「断固として県内基地建設に反対する」と意志表明をした。「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」とNGO団体らが主催した同集会には、一般市民ら約400人以上が集まり、前市長の沖縄知事当選への声援を送った。

伊波氏は、米軍基地の県内移設を推進しようとする日米両政府に対して「県民を無視した態度であり、一市民として反対する」と批判。「米軍が存在することが日本の国益だと政府は信じているが、それは冷戦時代の考えのままだ」と語った。前市長によると、3年前の総選挙前の時点では、県内移設に反対する県民は全体には達しっていなかったが、現在は、米軍基地建設反対が全県民の声になっているという。

伊波氏は、在日駐在の米軍基地が50年前のまま維持され続けていることに、環境問題の面から警鐘を鳴らした。伊波氏が沖縄県だけでなく、日本各地域の米軍地区も資料などを元に調査した結果、国内の米軍基地が日米安全保障条約が締結された「50年前のままの形で存在している」事実が判明。「冷戦の真っ只中で作られた基地のあり方を、環境や住民の安全などの点から考え直さなければならない」と現状の在日米軍基地の在り方に疑問を投げかけた。県内の米軍嘉手納基地の環境被害を例に挙げ、「米空軍の飛行機の爆音が住民の生活を破壊している」と話し、日米両政府が環境原則を遵守するように求めた。

同時に、政府から県内に助成される振興策に対して「米軍基地を造らせる為の措置以外何でもない」と非難。毎年、日本政府から100億の振興策費が県に送金されているが、そこには大きなカラクリが隠されていると言う。実際に、振興策の恩恵に県民は預ることは少なく、日本道路公団や西日本道路公団などに全体の振興策費用内の159.3億円が流出していると言う。「沖縄振興策を基地のためでなく、本当の振興策に変えたい」と伊波氏は強調した。

「米軍を番犬のように家の前でつないでいれば安全だと国民は信じている。沖縄からの海兵隊の撤退。新たな基地建設の反対。知事として主張したい」、伊波氏は強い口調でこう演説を締めくくった。

応援に駆けつけた社民党衆議議員の服部良一氏は、「伊波氏の知事選勝利を願う。断固として辺野古の問題を歴史に葬りましょう!」と新知事誕生にエールを送った。

沖縄県名護市議会議員、仲村善幸氏は、「普天間基地を撤収することで、沖縄の振興策が改善される。土建業者の利権でしか動けない人もいるのも事実。米国と平等な関係を築くことを民主党は約束しながら、“抑止力”という名の下、鳩山・菅政権は国内移設を維持している。沖縄を真剣に考え、米国と向き合ってほしい」と語った。

講演に参加していたジャーナリストの岩上安身さんは、「伊波前市長は大変理論的な人だ。大変な学術肌の方で、誰よりも沖縄基地について調べている。データに裏付けられた演説だけにとても説得力があった」と話した。

民主党は辺野古への新基地建設に反対を表明指定が、政権交代後の5月28日に辺野古を基地に指定する日米共同表明を出した。しかし、辺野古がある名護市では、今年1月に建設反対の市稲嶺進市長が誕生し、続く9月12日の名護市議会議員選挙では、27名中16名の基地建設反対派の議員が当選した。
パンオリエントニュース



© PanOrient News All Rights Reserved.




軍事