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「カタールが史上最高額の身代金11億5,000万ドルを支払ったとの報道」

Thursday, July 19, 2018

カイロ- パンオリエントニュース提供

いくつかの中東メディアが報じたところによると、2015年王族メンバーを含む複数のカタール人がイラクを拠点とする武装勢力にイラク国内で誘拐された際に11億5,000万ドルもの身代金を支払った模様だ。これらの報道によると、身代金は現金でカタール航空によって輸送され、テロリスト達に直接手渡されたとのこと。

これらの報道は傍受されたシェイク・モハメッド・ビン・アブドゥルラーマン・アルサーニ外務大臣を含むカタール外交官らのテキストメッセージや電話のやりとりが含まれており、11億5,000万ドルという身代金は現代史で最も高額といえる。

報道によるとカタールの駐イラク大使が、誘拐犯―イランを拠点にする武装集団ヒズボラ-に対し、不安を和らげようと「カタールを信用しなさい」などと話しかけている通話などが傍受されているということだ。大使は通話の中で「Father Prince」と公称するカタールの前首長がイラク南部でのインフラ整備に5千万ドルの支援を承認したケースなどを引き合いにだしていたという。

この誘拐事件が起きたのは2015年12月16日早朝で、狩猟のためにイラクを訪れていたとされる、王族を含むカタール人28名がシーア派の武装集団に誘拐された。誘拐された人々のリストは、当時外務大臣就任が決まっていたモハメッド・ビン・アブドゥルラーマン・アルサーニに渡されたが、このリストには彼自身の親族が2名含まれていた。バグダッドの駐イラクカタール大使シェイク・モハメッド・ザイ-ド・アルカヤリーンはこの後16ヶ月間に渡り人質解放に向けて尽力した。報道によると、人質解放交渉は成功し10億ドル以上の身代金がテロリストの手に渡ったとされる。

この事件の解決にはイランのイスラム革命防衛隊のカーセム・ソレイマニ中将も関わっており、継続的にカタール側と連絡をとっていたとされている。

これらの報道に対し、カタールは身代金の支払いを否定し、イラク経済開発のための支援金(金額は不明)がイラク中央銀行に預けられていると述べた。カタール側の言い分としては、テロリストに渡った金はないということだ。
そしてカタールの政府関係者は前首長が支援した5千万ドルもテロリストのためではないと述べた。

カタールは現在サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトによる経済封鎖下に置かれている。カタールがテロリストに金を支払ったという報道は、この経済封鎖を終わらせるか否かの法的な諸手続きに少なからず影響を与えることになる。

また報道は、ある諜報機関が入手したカタール大使が外務大臣に送ったテキストメッセージとして、「彼らには、身代金の半分を払うからまず14名を開放するように伝えた」という一文を紹介しているが、この金額がいくらなのかは明らかではない。

そして5日後に犯人側が3人の人質を解放すると言って来た際、大使が「彼らは我々に誠意を見せて欲しいといっている。これはいい兆候だ。彼らは焦っており、すべてを早く終わらせてしまいたいようだ」と打っている。更に2日後、大使はバグダッドのグリーンゾーンで解放された人質を待っていたが、犯人らは人質たちの動画が入ったUSBだけをもってきた。4月までに身代金は10億ドルにまで膨れ上がった。

この段階で、イラン高官が何度も交渉に加わり、シリア国内で反政府勢力に包囲されているシーア派の2つの町の解放と、反政府勢力に支配されているスンニ派の2つの町の解放を合わせた「4つの町協定」の締結をカタール側に打診した。
この直後身代金、恐らく11億5,000万ドルが支払われたことを英国の放送局BBCが確認したという。
この誘拐事件は2017年4月21日、シリアの4つの町の解放およびカタール人人質の解放という形で終結をみた。



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