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利子を認めないイスラム債権 日サ関係におけるその役割と可能性

Sunday, November 13, 2016

パンオリエントニュース

(東京) 日本・サウジアラビア関係におけるイスラム金融の役割への理解を含めることを目的として『経済成長におけるイスラーム債権の役割』と題されたセミナーが、10日、アラブ・イスラーム学院主催で開催された。議長は外務省・GCC及び湾岸地域担当大使である遠藤茂氏が務めた。

参加した自民党の河野太郎・衆議院議員は、「今回は日本初のイスラーム債権に関するセミナー」と開催を歓迎し、日サの経済関係がより強固なものとなるよう意欲を見せると共に、サウジアラビアの脱・石油経済を目指す経済改革案ヴィジョン2030を支援していくことを確認した。

イスラムではシャリーア(イスラム世界におけるコーランに則した法律)によって利子を取ることが禁止されている。そのため、イスラムの世界ではシャリーアの規定の範囲内で発行される独自の金融商品を扱っており、その中の一つであるイスラム債権は「スクーク」と呼ばれている。スクークはイスラム金融が世界的に広がった要因の一つとなったもので、本格的に普及し始めたのは2000年代に入ってからだ。

登壇した吉田悦章・京都大学特任教授は、「スクークは国際投資家の間で頻繁に取引されている。日本の投資会社が地元の市場(中東の)と関係を保持するためにスクークは短期的、長期的な両面で役割を果たす」として、日本市場がイスラム資本により強い関心を示すべきだと呼びかけた。

イスラーム開発銀行・イスラーム債権開発部部長を務めるサーミー・アルスワイリム氏は、「2015年のスクーク市場は3,210億ドルで、政府が主としたアクターだ。債権がほとんどで、市場の流動性や投資家層は限られている上に、市場の複雑な構造もスクークの問題点だ」として課題を指摘しつつ、よりリスクの低く流動的なスクーク商品も登場していることを挙げ、イスラーム債権が大きな可能性を持つ市場てあることをアピールした。

イスラーム金融会計監査院事務局長のハミード・ミーラ氏は、「スクークの市場規模や地理的拡大性、多様性を踏まえ、スクークは中東の大使のような役割を果たすだろう。しかし、イスラーム債権への理解、シャリーアへの理解が広まる必要がある」と述べた。

日本の銀行がイスラーム金融により積極的に進出するよう訴えた日本イスラム金融研究所代表のマクスード・アフマド氏は、「日本とサウジアラビアの間にはかなりの距離がある。両国の間にはマレーシア、UAEのドバイ、バーレーンといった重要な他のアクターの存在にも注目すべきだ」と述べた。

セミナーでは冒頭と終わりに、駐日サウジアラビア大使であるアハマッド・アルバラック氏が挨拶を行い、今後の日サ関係のさらなる発展に期待を寄せていた。

アラブ・イスラーム学院は、アラビア語及びアラブ・イスラーム文化を日本に紹介する目的で、1982年に東京・港区に、サウジアラビア政府により創立された。

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