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2966年の新年を祝う北アフリカのベルベル族

Monday, August 15, 2016

パンオリエントニュース

アルジェリアなど北アフリカに住むベルベル人が、新年2966年を迎えました。彼らの暦では、ベルベル人の王が、エジプト王ラムセス3世を倒し たという紀元前950年が元年となっていますが、人類学者たちはこの新年の起源を正確に立証するのは難しいと述べています。

ベルベル人は伝 統料理を作り芸術展などのイベントを催して新年を祝いますが、アルジェリアでは、Tisi Uzoという町やその周辺地域でこの新年行事が開かれました。こうした行事は、幸福と成功をもたらすとベルベル人によって信じられ、2、3日間にわたって 催されます。モロッコのラバトでは、南西地域のアガディールやティズニトのようなベルベル人が密集する各地で祭典が催されました。またアルジェリア北部の 山地では、4500以上のベルベル民族の村が新年を祝いました。現地のコミュニティでは村の2000世帯で肉を分け合う"Timechret"という伝統 的な儀式の準備に6ヵ月を費やします。これは、お金持ちの人も貧しい人も同じ食事をし、村の住民と遠く離れた人々が一同 に集まることを目的としているのです。また、パリでもベルベル人の歌手が母国アルジェリアの伝統的な歌を披露するコンサートが開かれました。

ア ラブ人よりも古い北アフリカの住民であるベルベル人の人口は、あるデータによると約1000万人とも言われ、彼らはモロッコ、アルジェリア、チュニジア、 リビア、エジプトのヌビア地方、スーダン、ニジェール、マリといったナイル川以西の北アフリカ各国に多く暮らしています。彼らはアラブ・アフリカ諸国の一 部となりましたが、最近ではアラビア語とは異なる固有の言語を持つ民族として自分たちの民族性や言語が法律で正式に認めるよう要求し始めました。また、モ ロッコに住むベルベル人は数年前に新たな憲法によって、古くからある彼らの言語を正式に認定させましたが、今度は1月13日を祝日にしようと働きかけてい ます。彼らは、イスラム暦において1月を示すムハッラムや、キリスト教において休息日を示す日曜日がカレンダーの先頭にあるように、自分たちの新年を祝日 にしたいと考えているのです。

ベルベル人は自分たちのことを自由な人々を意味する「イマジゲン(Imazighen)」と呼んでいますが、一方でヨーロッパ人たちから怠惰であることを象徴する「ベルベル(Berber)」と呼ばれることにいら立ちを感じています。

ベ ルベル人のアイデンティティーは、言語や民族性だけで定義されるものではなく、北アフリカ全体の歴史や地理とも深く関わっていると活動家たちは言います。 歴史的に彼らが話してきたベルベル語は、アフロ・アジア語族の中の1つの語派となっています。しかし17世紀にイスラム教徒が北アフリカを征服して以来、 ベルベル人の多くが自らの選択や支配によって、多様なアラビア語を話すようになりました。宗教に関しては、ベルベル人はイスラム教徒として知られていま す。

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