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「広島訪問は米国が原爆投下過ちと認める告白」 マハティール元・マレーシア首相

Friday, June 3, 2016

パンオリエントニュース

(東京) - マハティール・ビン・モハメド元・マレーシア首相が訪日中、パンオリエントニュースの単独インタビューに答えた。訪日直前に起きた米・大統領オバマ氏の広島訪問、米国の大統領選挙の見通しについて語った。

-- 米国のバラク・オバマ大統領が広島を同国の現役大統領として初めて訪問したことは世界的な注目を浴びました。

「謝罪こそしなかったが、あの広島訪問は原爆投下が過ちだったこと、そして核兵器が二度と使用されてはならないことを認める「告白」のようなものだった。オバマ大統領も核廃絶を訴えているが、いつこれは達成されるのか?私達の誰にも答えることは出来ないが、オバマ大統領の任期はもうすぐ終わる。次の大統領が同じ見解に立つかはわからない。」



-- 任期終了間近のオバマ大統領はレイムダック状態にあるといわれています。これまでの彼の大統領としての成果についてどう思われますか。



「キューバとの国交回復、イランとの関係是正など、多くのよい功績を残したと思う。しかし、同時にオバマ大統領は歴史上の他の大統領と同様、守れない約束を多くしてしまった。選出された当時には達成することを有権者に約束していたことも、結局出来なかったものがある。例えば、グアンタナモ収容所の閉鎖がそうだ。さらに、先に述べたキューバやイランに関しても、任期が終わりに近づいてからやったことだ。彼が行ったことは聞いていて喜ばしいものだが、レイムダック状態にあった先の大統領達と同様に、彼のとった行動が今後実際に施行されていかない可能性がある。」




-- 今年は米国は大統領選を控えています。共和党氏名を確実にしたドナルド・トランプ氏は、その過激な発言から国内外から強い懸念の声があげられていますが、この事態をどう見られていますか。




「ドナルド・トランプ氏はアメリカ人というものの典型的例だ。アメリカ人はアメリカが世界そのものだと考えている。だから、例えば、アメリカンフットボールのトーナメントはアメリカの国内チームだけで戦うのに『ワールド・シリーズ』と読んだりする。アメリカの一般市民であればアメリカこそが世界で済むかもしれないが、大統領になるとそうはいかない。もし選出されれば、トランプ氏は国内問題だけでなく国際問題を取り扱うことになる。その際、彼は自分の主義や思想の多くを見直さなければならないだろう。さらに、議会の存在が彼がやりたい放題することを許さないだろう。オバマ大統領が掲げた政策を施行に移せなかった理由の一つに議会が挙げられるが、これは歴史上のどの大統領にも起きたことだ。さらに、トランプ氏は一人で政権を運営するのではない。アメリカが直面する問題に対する多くの問題に対し、新しく選出された大統領よりもずっと深い知見を備えた専門家がつき、彼らは新大統領に非常に強い影響力を持つ。これは、次の大統領がトランプ氏だろうが民主党のヒラリー・クリントン氏だろうが変わらない。」 (聞き手:Elfateh Merghani)

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