カメラに向かって美しい笑顔を向ける少女。彼女はヨルダンのザータリキャンプで生活を送るシリア難民の一人である。二年半以上続くシリア内戦は混迷を究め、国際社会も足踏みをそろえられずにいることから、一行に解決の兆しを見せていない。
8月4日に都内の国連大学で『シリア危機 国内と周辺国の状況』というシンポジアムが行われた。日本の多数のNGO団体が現地の難民キャンプで活躍し、多くの人々が少しでもシリア難民のために何かしたいと思っているのは事実だろう。しかし、登壇したパネリストたちを含め、具体的な解決策はあるのかという質問に対し、世の有識者や政治家が口をつぐんでしまうのが、シリア内戦の現実である。
UNHCRによると、2013年末までにシリア難民の数は345万人にも達すると警告している。難民には数多くの子供も含まれる。写真の中の少女の笑顔は希望に満ちている。大人がその希望を裏切り続けるような事態は一刻も早く止められなければならない。
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