外交

来日中のイエメン外相・中東の民主化いまだ発展途上 アラブの春を経験して

Sunday, December 8, 2013

パンオリエントニュース

東京 - 来日中のイエメン外相・アブー・バクル・アブドッラー・アル=カルビー氏が、5日、都内で行われた講演会に出席し、自身の中東情勢における考えを語った。

講演会にはメディアの他、各国大使館の大使、知識人が多く参加した。

イエメンはアラブの春の影響を受けた国の一つ。カルビー氏はアラブの春を経験した国(エジプト、リビア、チュニジアなど)が革命後に保守勢力が政権を握る傾向がある点を示唆、「若者が煽動した運動を結果的に保守勢力が『ハイジャック』してしまっている面がある」として、アラブの春後に『変化』は地域で必ず起きてあるとしつつも、完全なる民主化は未だ発展途上にあるとした。

終わりが見えないシリア紛争に関しては、「イエメンの時と異なり、国連常任理事国五カ国が一致した見解を持っていないことがなかなか解決に至らない理由の一つだ。さらに、地域各国の利害関係の思惑も含め、シリア紛争にはあまりにも多くの異なる勢力が既に参加してしまっている」といかにシリア紛争が解決困難な状況下にある点に触れつつ、「シリア紛争はあくまでシリア国民によって解決策が見出されるべきだ」とし、外国勢力による解決は支持しない意を述べた。

また、イエメンが位置するアラビア半島では国際テロ組織アル=カイダの存在が懸念されいてる点におけるイエメン政府の対応という参加者からの質問に対し、カルビー氏は、「アルカイダは国民の安全と生命に対する脅威であり、私たちは断固としていかなるテロリスト組織と戦い続けなければならない。アルカイダは不安定性を逆手にとる。しかしハーディー大統領の尽力もあり、イエメン国内でのアルカイダの存在感はだいぶ弱まりつつある。国際的協力を強めつつテロリズムに対応していかなければならない」とした。


パンオリエントニュース



© PanOrient News All Rights Reserved.




外交