外交
鳩山元首相 新政権外交政策に対し「平和外交構築を」
Friday, January 11, 2013
昨年のイラン訪問を振り返り「アメリカが出来ないことをしていきたい」
東京 ―( パンオリエントニュース)
政界を引退した鳩山由紀夫元首相が10日、都内で安倍新政権の外交政策に関する講演を行った。
昨年12月に行われた衆議院総選挙について鳩山氏は、「選挙にて『強い日本にしよう』という言葉が全面に出され、『あたたかいリベラルな日本をつくる』という主張が全くなかった」と述べ、「民主党政権が日本を弱くしたと批判し、国防軍や集団的自衛権、憲法改正の議論があってもいいが、それだけでこの国を主導してはならない。勇ましい言葉の先に真の意味の愛国心はあるのかと問いたい」と、海外メディアからも右傾化が騒がれている新政権に対し懸念を示した。
また、領土問題を発端に関係悪化が騒がれている日中・日韓関係について触れ、「私が首相時代に『東アジア共同体構想』を提示し、両国からある程度の反応を得た。しかし今反省しているのは、この発想がアメリカをかなり刺激し、そして誤解されてしまった」と自身の首相時代の外交政策を振り返った。「だが、日中関係はいかにせよ強化せねばならず、基本的価値観が近い韓国も含め、裏表のない安定した関係を隣国とは築くべきである」とした。
核開発問題を巡り欧米諸国と軋轢を深めているイランに関しては、鳩山氏は昨年4月の自身のイラン訪問について触れ、「イランには、戦後日本が長年世界から核兵器開発の疑いをもたれていたことを話した。しかし日本は常にIAEA(国際原子力機関)に協力する姿勢を貫いたことで信頼を得た。イランもIAEAに対して協力し、まずは信頼関係を情勢するよう促した」と述べた。鳩山氏のイラン訪問は当時メディアから辛辣に批判されたが、「訪問後にイランからも感謝の言葉を頂いた。アメリカが出来ないこと、日本としての平和外交を構築することに貢献していきたい」と、政界を引退した自身の今後の抱負を伝えた。
本シンポジウムはNew Diplomacy Initiativeという新設シンクタンクのプレシンポジウムという形で行われ、パネリストには東京大学教授の藤原帰一氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、ジョージ・ワシントン大学教授のマイク・望月氏が招かれた。
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