外交

イスラム世界との持続的対話―異なる文明間の理解をめざして

Friday, December 7, 2012

東京- ( パンオリエントニュース)

第3回「日本とイスラム世界との未来への対話」(外務省主催)が6日、都内で行われた。日本とアラブ首長国連邦やヨルダンなどのアラブ諸国から招いた有識者や専門家、学生らが参加する。2日間に渡る様々なプログラムを通じて両者間の理解をさらに深めることを目的としている。

外務大臣政務官の浜田和幸氏は開の会挨拶で、「今回のセミナーは、日本が国際平和構築のために文明間同士の対話が最も重要だと見なしていることを示す証拠である」と述べた。続いて基調講演を行った東京大学名誉教授の板垣雄三氏は、「中国に続く経済的成功をすることになるのがイスラム世界である。文明世界間同士で対話を続けることが、持続可能な世界の構築につながる」とした。

最後に基調講演を行った元駐日モロッコ大使サアドッディーン・タイエブ氏は、アラブの春革命後の問題について言及。いま混迷状況にあるエジプトに関し、「革命を先導したのは政治的経験が皆無な若者たちだった。革命後、戦略も経験もない彼らは、自分たちでエジプトの未来を他者にゆだねることになった。変革を望み革命に走った若者達は、革命後大きな社会的変革が起きていないという現実とのギャップに憤りをおぼえている」とし、革命後の政府や人々が様々な問題解決に向けて持続的に対応していかねばならない必要性を述べた。

またシリア問題に関して、「私自身、アサド大統領とシリア外務大臣に話をしに行ったことがある。この内戦によりどれだけの無実なシリア市民の命が落とされているかということに言及すると、彼らは「その無実なシリア市民の命を奪っているのは外国勢力だ。外国が自分たちの勢力をシリア全土に送り込み、市民の命を奪っている」と話していた。これではいつまで経っても解決することはない」として、まだまだ混迷するシリア情勢への強い懸念を示した。


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