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チュニジアの観光業の危機~ジャスミン革命の大義は何処へ~
Tuesday, October 18, 2011
チュニジア (パンオリエントニュース)
優雅な浜辺に暖かい海、そして居心地の良いホテル。チュニジアのシーサイドリゾート地ヤスミン・ハマメットにそれらはある。そこは初夏を匂わす絵葉書に出てきそうな、絵に描いたように美しいなところだ。しかし、今そこには人影がない。
大統領ゼイン・エル・アビディ・ベン・アリが追放された1月のジャスミン革命以来、北アフリカに位置するこの国のほとんどの海辺の町と同様に、ヨーロッパ人、アルジェリア人そしてリビア人はみな北西部のこの町を捨て始めており、これらの町は歴史的に最悪の観光シーズンを迎えている。
「破滅的なんて言葉より、現状は酷いんだ」と嘆くのは、カメル・ベン・アブダラ氏(ある3つ星ホテルの支配人)。同氏の場合、通常なら夏季の収入が彼の収入全体の65%を占めていた。だが、今年は宿泊料を40%も下げたにも関わらず、多くの部屋は空室が続く。 去年の同時期には100人いた従業員を彼はリストラを行い40人に減らした。そして、彼はパートタイマーを雇わなかった。
「メディアは、ものごとを過剰に脚色するだけだ」と、彼は話す。 1月の民衆の反乱以来、「政情不安定なチュニジア」の絵を描き、噂を広げて非難するジャーナリストをこのホテル支配人は非難しつつ、この「非道な荒廃」をもたらした責任をメディアに被せているのである。
今年はこれまでに3,000もの観光関連の仕事が失われたと、政府観光局は火曜日に発表した。観光業はチュニジアの国内総生産の7%を占め、通常では400,000人規模の雇用を生み出していた。 また、訪れた観光客の数は39%減少し、そして収入に至っては51%下がった、と発表された。
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