外交
「大阪で行われるG20サミットは世界経済の転機となるか」
Monday, July 1, 2019
モハメッド・スレイマン・ アルアンカリ氏
大阪- (パンオリエントニュース) サウジアラビアのエコノミスト、モハメッド・スレイマン・アルアンカリ氏(Mr. Mohammed Suleiman Al-Ankari)は6月28日、大阪においてパンオリエントニュースのインタビューに応えG20サミットの意義について下記のように述べた。
現在の世界経済への圧力は相当であり、この状況を改善する為に世界各国で様々な声が挙げられる中今回の大阪でのG20サミットでは、参加する各国の意見を、ホスト国である日本がどのように纏め導くかが注目される。今回G20に参加する国々は世界経済の80%以上を占めるグループであり、その中で日本は総生産高の点で3番目に入る経済国で、参加する国々と信頼性のある関係を保っていると見られている。
貿易問題に関してアルアンカリ氏は、現在世界経済に影響する問題の中で最重要課題はおよそ32兆ドル以上の規模と国際貿易の18%を占めるアメリカと中国の間の貿易戦争であり、それが世界経済への大きな悪影響にもなり得ると分析した。 またイラン問題に関して先般の安倍総理大臣のテヘラン訪問中に日本タンカーがペルシャ湾で攻撃された事実を挙げ、今回のサミットの重大な課題がアラブ地域からの安定したエネルギー供給を確保するための解決策にいたることができるかどうかであると述べた。 サウジアラビアに関しては、現在、石油供給の約20%がサウジアラビアのホルムズ海峡から輸出されているが、貿易戦争が起きている間に供給不足になった国々に対し、サウジアラビアが供給を補うことを約束出来るかどうかも課題になる、とした。
また世界が直面している複雑な問題の中には健康、教育、気候問題などがあり、米国がパリ条約から撤退した後、悪化した世界経済又は世界経済の低成長の改善が今回のサミットの課題でもある、と述べた。
そして世界中における雇用問題の原因の一つは世界経済の低成長や、人口知能や技術発展によるビジネス運営スタイルの変動でもあり、国際的な非公式研究の情報によると、今後12年以内に約20億人の雇用が国際労働市場から淘汰され、人工知能とそれに伴う世界の経営管理の概念の変化がもたらされる。その上、世界経済を脅す通貨戦争問題もあり、早い段階で解決策を考えなければならない状況である。
このような中開催される今回のサミット議長国である日本は大きな責任を抱えており、結末としては世界経済の鈍い成長が深まり、それが停滞するか、グループの国々がこれらの問題に対処するために協力し、一連の理解に達するかのいずれかであるとアルアンカリ氏は推測。世界の国内総生産の内、710億ドルを超える4番目に大きい輸出国であり、約6,500億ドルの輸入高を持ち世界中に莫大な投資もしている日本は世界的に最も重要な立ち位置にいる。そのために現在の世界経済問題への解決策の提案やサポートの役割が期待されている。アルアンカリ氏は、果たして、G20サミットを通して、日本の首脳会議は世界経済のペースとバランスのとれた成長への回帰を調整するための転換点になるのであろうか、と結んだ。
© PanOrient News All Rights Reserved.
|