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「4号機の問題は全世界の安全保障についての問題だ」と元スイス大使

Tuesday, June 5, 2012

東京―パンオリエントニュース

元スイス大使の村田光平氏は5日、都内の外国特派員記者クラブで会見をし、「4号機の問題は日本だけではなく、世界の安全保障にとっても重要な問題だ」と語った。

村田氏は、スタンフォード大学の西教授による「日本の原発は、無免許運転のようなものだ」といった言葉を引用しながら、福島第一原発が「全くコントロールのきかない状態となっている」と指摘。日本の原発政策に対して強い疑念を示した。

また世界各地の市民団体が、事故処理に対する国連介入を要請したり、日本の原発稼動停止を求めたりしており、その数は324に達しているという。「このことは、日本政府や東電に対する信頼が全くないということを意味する」と村田氏は言う。

村田氏は野田首相に対し、「8月までに原発に全く依存しないという日本の政策を打ち出すことが、日本や野田首相への信頼を取り戻すことの出来る唯一の道である」と提言していることも明かした。「日本政府の出した試算によると、今後3年間福島でマグニチュード7以上の地震が起きる確立は90%。しかし、昨年の地震や津波で損傷している4号機は、マグニチュード7の地震には耐えることが出来ない。」

「原子力ムラや原子力独裁制といったシステムが明らかになった今、世論は驚くべきほど盛り上がっている」と述べる松村氏は、「メディアは依然として原子力独裁制のコントロールの下にある」と批判した。

会見の最後に、村田氏は「福島の教訓は、人類のための偉大な原理を世界に気づかせた。耐え難い結末を起こす可能性は、完全にゼロにしなければならない」と述べ、「経済優先から命を優先させる方向へ」のシフトを主張した。「我々が現在直面している危機の真の理由は、倫理の欠如である。」


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