外交
サウジ皇太子 2月18日に来日 経済・防衛関係強化を模索
Saturday, February 15, 2014
パンオリエントニュース
(東京) サウジアラビアのサルマン皇太子の訪日を前に、駐日サウジアラビア大使アブドゥルアジーズ・トルキスターニ氏が、13日、都内のサウジアラビア大使館で会見した。トルキスターニ氏は、「今回の皇太子殿下の訪日は日本とサウジアラビアの戦略的パートナーシップの一環であり、両国の関係をより強いものにする絶好の機会である」と述べた。
サルマン皇太子は18日に来日し、3泊4日の日程で滞在する。安倍首相、小野寺防衛大臣、茂木経済産業大臣、岸田外務大臣と会談を行い、意見交換する予定。天皇陛下とも会見する。
サルマン皇太子は現・アブドゥラー国王の異母弟であり、2012年11月、前・皇太子ナイフの死去に伴い皇太子に指名された。以前はリヤド州知事を務めていた。
「サウジアラビア政府は、今回の訪日を通じて多様な分野における日サ関係をより強固なものにしたいと思っている。サウジアラビアは日本にとって最大の石油輸入国(総輸入量の1/3)であるが、石油化学等の上流分野だけでなく、他のビジネスの分野、特に技術やノウハウ移転をサウジアラビア市場に促進していきたい」とトルキスターニ氏。現在42名の日本人専門家がサウジアラビアの大学等で研究・指導している点に触れ、2カ国間の技術移転が日々行われていることをアピールした。
また、住友化学や昭和シェル石油等の上流企業に加え、いすゞモーターズがサウジアラビアに工場を設立した例を上げ、下流工業生産分野の展開に注力すると同時に、「水やインフラ、農業、医療といった根本的な産業分野に加え、中小企業にも目を向けている。日本の企業文化や哲学から学べることは多い」と加えた。
昨年末に外務省がサウジアラビアと日本が原子力協定の締結に向けた交渉開始に合意したと発表したが、日本からの原発輸出に関しては「サウジアラビアは自らが保有する石油は自国のものだけではなく世界のためのものと思ってきた。しかし、保有量は減り続けている。その事実を踏まえ、サウジアラビア政府は再生可能エネルギーや省エネ技術の分野に力を入れている。原子力に注目しているのもその顕われだ」とした。
皇太子の訪日に伴い、サウジアラビアの経営界から約30名が訪れ、経団連の面々と会見する予定。今回の訪日が日本の産業界からのサウジ投資促進につながればいいとトルキスターニ氏は期待を見せていた。
日本とサウジアラビアの国交は1955年6月に樹立。来年2015年に60周年を迎える。
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