外交

朝鮮総連結成60周年祝賀会 朝鮮総連議長の挨拶全文

Friday, May 22, 2015

パンオリエントニュース

東京 - 在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)結成60周年を記念する祝賀会が、21日、都内の朝鮮総連本部にて行われた。以下は、式典にて同会の中央常任委員会・議長の許宗萬氏が述べたスピーチの全文である。

尊敬する日本の友人のみなさん!
駐日各国大使閣下をはじめとする外国公館員のみなさん!
日本に駐在する外国の友人のみなさん!

 私は、朝鮮総聯中央常任委員会を代表して、在日本朝鮮人総聯合会結成60周年の祝賀宴にご参席されたみなさんを心から歓迎いたします。

 朝鮮総聯は偉大な金日成主席が、在日朝鮮人は日本に住みながらも自らの祖国と民族、同胞の生活と権利のために、また、朝日友好親善のために寄与すべきとの教えにしたがって、1955年5月25日に結成されました。
朝鮮総聯の結成によって、在日朝鮮人は主体性と民族性を堅持しながら生活と事業を営み活動するようになりました。
朝鮮総聯は、結成以来この60年間、金日成主席と金正日総書記の賢明な指導と配慮のもと、一貫して、すべての在日同胞の意思と利益を代表し、同胞社会と日本の地域社会の発展に尽力してきました。
とくに、日本で幼稚園から大学に至る民主主義的民族教育システムを構築し発展させることにより、民族学校から巣立っていった卒業生は12万人を超えました。彼らは、35万人余りと言われる在日同胞特別永住者の中で、同胞社会と民族的アイデンティティを守り受け継ぐ大変貴重な存在となっており、日本をはじめ国際社会における学術、文化、芸術、スポーツ、経済など様々な分野で活躍しています。
 朝鮮総聯はまた、結成当初から内政不干渉と法の遵守を原則として、朝鮮と日本との善隣友好と関係正常化、東北アジアの平和のために努力し、本国の委任を受け旅券やビザを発給するなど代表部的役割も果たしています。

 朝鮮総聯の今日があるのは、60年という長きにわたり、祖国と指導者に対する揺るぎない信念をもって、在日同胞の団結をもっとも重視し活動した結果であり、また、ここにお集まりのみなさんをはじめ各界各層の広範な日本のみなさんのご協力と国際的支援の賜です。
 わたしは、総聯結成60周年を祝うこの場をお借りして、各界の先生方と日本と外国の友人のみなさんに心から感謝の意を表する次第です。

 みなさん!
今年、われわれ朝鮮人民は日本帝国主義支配からの解放70周年を迎えます。しかし、誠に残念なことは、日本政府が、70年が過ぎようとする今になっても、わが国に対し過去の過ちを真摯に謝罪、補償するどころか、アメリカの朝鮮敵視政策に追従しながら、非友好的政策を取っていることです。また、日本の植民地支配と侵略戦争の犠牲者である在日朝鮮人に対しても、償うどころか、差別と同化政策を続けています。
日本政府は、2002年9月の朝日ピョンヤン宣言で、過去の過ちを謝罪し償いを約束したにもかかわらず、その後の十数年間、同宣言で自ら外交決着をつけた「拉致問題」を政治的に極大化し、わが国に対する不当な制裁と朝鮮総聯と在日朝鮮人に対する政治弾圧、人権侵害を行ってきました。
とくに、現政権は、昨年5月29日の朝日政府間ストックホルム合意で、「ピョンヤン宣言にのっとって不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、国交正常化を実現する意思を改めて明らかにし、朝日間の信頼を醸成し関係改善を目指すため、誠実に臨む」と改めて約束したにもかかわらず、合意に基づき「拉致被害者」を含むすべての日本人に関する調査を行っているわが国の誠意ある対応を無視し、ストックホルム合意自体をないがしろにしようとしています。

ご承知のように今回、日本の公安警察は「外為法違反容疑」をでっち上げ、何の法的根拠や客観的証拠も無しに、議長である私と副議長への違法な家宅捜索を強行し、総聯関連企業の社長など3人を逮捕しました。
日本政府首脳は「法と証拠に基づく捜査」と、くり返し主張し正当化しようとしていますが、「証拠」なるものはまったくありません。
このような言動は、拉致問題を含むストックホルム合意を破綻させ、その責任を朝鮮側に押しつけようとする政治的意図が、日本政府にあるのではないかという強い疑念を生んでいます。
われわれは、日本政府がアメリカの朝鮮敵視政策に同調し、わが国への圧力強化の一環として、今回のような朝鮮総聯と在日同胞に対する政治弾圧と人権侵害行為を行っていると思わざるを得ません。
われわれは、日本の植民地支配と侵略戦争の犠牲者とその子孫であるがゆえに、いわゆる「戦後70年談話」に大きな関心をもって注目しています。

 みなさん!
わが国は、敬愛する金正恩第一書記の卓越した指導のもと、徹底した自主の道、先軍と社会主義の道に沿って、時代錯誤的な朝鮮敵視政策に固執するアメリカに真正面から堂々と立ち向かいながら、社会主義強盛国家、文明国家建設を目指し、不当な経済制裁の中でも、あらゆる分野で、日進月歩の飛躍的発展を遂げています。
朝鮮総聯は、様々な困難を愛族愛国の信念と一心団結の力で克服してきた過去60年の貴重な伝統を受け継ぎ、金正恩時代の新たな息吹で躍動する祖国と歩みを共にしながら、同胞社会の新しい飛躍的発展に向けて邁進していく所存です。また、朝鮮の自主的平和統一と東北アジアの平和と朝日善隣友好促進のため、さらに努力してまいります。今後とも朝鮮総聯への変わらぬご支援、ご協力を願ってやみません。

 私は最後に、朝鮮総聯結成60周年を祝い、敬愛する金正恩第一書記のご健康を祈念し、ここにお集まりのみなさんのご健勝を心から願って、乾杯したいと思います。



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