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スペインとアラブの深い関係:都内でアラブ月間開催

Monday, February 16, 2015

パンオリエントニュース

東京 - 駐日アラブ大使夫人の会協力のもと、スペイン文化センター東京にてアラブ月間が企画開催されている。そのオープニング記念として、13日、同センターにて元・駐日サウジアラビア大使バシール・クルディ氏が『アラブ諸国とスペイン・日本の関係』という講演会を行った。同氏は現在スペインに在住している。

現在のスペイン・ボルトガルにあたるアル・アンダルスとよばれる地域は、アラブ人が持ちこんだアジア文化の影響を歴史的に受けて来た。クルディ氏は、「アル・アンダルスの人々は、宗教・人種の違いを越え協力し尊敬し合っていました。この地域はアジア・アフリカ・ヨーロッパの3大陸を結びつけた重要な半島(イベリア)でした」と、アジア・東洋の文化が中東・スペインを通じてヨーロッパに影響を与えたことに言及。文化や国の盛隆は、時代の変遷と共に東から西へ、西から東え、相互的に関係を与えてきたことを、クルディ氏は自身の経験を踏まえながら話した。

クルディ氏が初めて日本に赴任したのは1963年のこと。「当時、東京オリンピック(1964年)を控えた日本の、国際スポーツを通して国家再建と国際社会の一員になろうとする強固とした意志を感じました。その後、再度東京に大使として赴任したのは1998年。日本は世界経済のトップに仲間入りし、国際社会で重要な地位を獲得していました」と日本のこれまでの歩みに称賛の意を表した。そして、今日、多くのサウジアラビア人学生が日本に留学、科学技術や産業について学んでいることに触れ、「日本の科学技術や専門知識に触れ、その果実をアラブ地域で見ることは大きな喜びです」とサウジアラビアを始めとするアラブ諸国と日本の関係が多面的に発展していることに喜びを見せた。

このアラブ月間は、アラブがスペインに与えてきた影響を踏まえ、文化の中心地という側面からアル・アンダルスに着目するものだ。講演会同日には、アート展覧会もオープンした。今後一ヶ月、駐日アラブ夫人達の講演会や、アラビア文字やお香・ヘナ、ファッションショーやダンスショーといったアラブ文化を紹介する様々なイベントが来月13日まで開催される。異国の情緒を味わいに、ぜひ一度足を運んでほしい。(塚本 和子)

【場所】セルバンテス文化センター東京

    〒102-0085 東京都千代田区6-2-9



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