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ガザ情勢:駐日パレスチナ大使「平和のための措置」を国際社会に 強く要請

Thursday, July 24, 2014

パンオリエントニュース

東京 - イスラエルの侵攻拡大が進むパレスチナ自治区ガザの状況説明のために、駐日パレスチナ大使ワリード・シアム氏が、23日、都内の外国特派員協会で会見を行った。

「この紛争に勝利者はいない。争いの結果、犠牲者になるのは市民。我々が要求するのは平和のための措置である」と、一刻も早く停戦が実現されるよう、日本を含め国際社会が行動をとることをシアム氏は強く訴えた。

また、イスラエルに対しては、自国の、そして地域の平和と安全を確保したければパレスチナ人の土地の不法占拠を直ちにやめる必要があるとした。「そして占領をやめた後、同じテーブルについて(国連決議を基にした2カ国解決案を前提とした)合意に達するための交渉を開始することができる」と話し、「一つの土地に2つの国が存在することは可能。私達パレスチナ人は東エルサレムを首都とした自分たちの国を建国することはあきらめない」と力強く語った。

世界各国でパレスチナ支持の抗議運動が起こっているが、アラブ世界ではその傾向がないのでは、という記者からの質問に対しては、「今日、パレスチナ人は占領者に自分たちだけで立ち向かっている。でもこれは初めてのことではない。現在の状況は1948年を私に思い出させる - アラブ社会は頼りにできず、国連は沈黙したままで、国際社会は見て見ぬふりをしている。その結果大量殺戮が起こった」と述べ、国際社会に停戦の協力を仰ぐ一方で、パレスチナ問題に対する国際社会や関係諸国のこれまでの対応の仕方に憤りを示した。

また、CIAが発表した資料によると、イスラエルが世界第10位の軍事大国であること、世界第8位の武器輸出国であることに言及し、「それでもイスラエルは自らが犠牲者のように振る舞う」と述べた後に、国際社会のメンバーはイスラエルと軍事的協力・関係を持つべきではないと訴えた。

会見の最後に、今後の交渉の行方として米国の故・ジョン・F・ケネディ氏の"We cannot negotiate with people say what's mine is mine and what's yours is negotiable (自分のものはあくまで自分のもの、しかし相手のものは交渉の余地があるという考え方の人とは交渉できない)"という格言を引用し、「占領者側がこのような姿勢のまま交渉に望む限り、合意はいつまで経っても得られることはないだろう」とした。(東京 - 柴田真也子)



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